
どうも、きむきむです。
今回分析していく銘柄は、最近決算が終わったばかりのラクス(3923)。
東証マザーズ上場銘柄で、最近よく耳にするようになった”サブスクリプション”ビジネスにより着々と力をつけている会社です。
また、働き方改革関連の銘柄としても最近注目を浴びています。
事業内容
ラクスの事業内容は、クラウドとIT人材派遣の2本柱。
この内のクラウド事業は、同社売上の70%以上を占めており、収益のコアとなっています。
また、同社が企業理念に掲げている通り、主要ターゲットは中小企業としています。
- クラウド事業
交通費や経費を精算する際の作業効率を大幅に改善する「楽々精算」や、
メール共有・管理に特化する事で対応スピードを飛躍的にアップ出来る「メールディーラー」
等のクラウドサービスを、サブスクリプション方式で継続して利用してもらうことで
安定した課金収入を得られるビジネスとなっています。

会社勤めの人はまず全員行っている精算業務。
情報を集めたり申請書を作成したりと、地味に時間がかかるんですよね。
経理サイドとしても、通常の手続きだけでも結構大変なのに、1人1人の申請に対して入力間違いがあれば訂正をしなければならず、確認作業の時間が多くかかっています。
そんな双方の悩みを解決するのが上記の「楽々精算」。
いわゆるSaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)の形態をとっており、クラウド経由でのサービスになるので、導入しやすく初期費用が抑えられるようです。
他にも帳票を電子化する「楽々明細」、 あらゆる販売管理業務をシステム化できる「楽々販売」など、クラウドを使ったサービスを幅広く展開しています。
- IT人材派遣
同社内のITエンジニアを派遣することで企業の技術サポートをしています。
(こちらは社名をラクス・パートナーズとしている)
ITエンジニアの人材不足が全国的に顕著な中、自社内での育成に力を入れています。
充実した研修により、未経験者でも高いITスキルを備えたエンジニアを育成出来る環境になっているようです。
クラウド事業と比べると規模は小さいですが、こちらもじわじわと成長を続けています。
他社との競合
- クラウド事業
クラウドを使ったサービスというのが他社と重複しても、特に競合とは考えなくて良いかと思います。
重要なのはクラウドを使ってどんなサービスを提供しているかです。
- 働き方改革
ライバル会社として挙げられるのは、サイボウズ(4776)あたりでしょうか。
働き方改革銘柄として注目を浴びており、株価の方は年明けより急上昇を続けています。
同社のサービスのうち、メールの一元管理システム「メールワイズ」がラクスのサービスと類似しています。
(ただし、クラウドメール処理システムの市場としては、ラクスがダントツで売上トップ)
他にも働き方改革をキーワードとして銘柄を探すと数多く見つかります。
一見すると競合他社は多そうに思えますが、その中でもラクスは経費精算システム分野で他社にはない独自の強みを持っています。
それだけでも十分差別化されているのかなと思います。
財務、業績
サブスク収入により継続的に利益を伸ばしているだけあって、財務は良好。自己資本比率も非常に高いです。
会社の経営にたちまち困る事はないでしょう。

先日2/13に決算発表がありました。
主力のクラウド事業は、以下のグラフのように順調に業績を伸ばしており、売上も堅調に推移していますが、経常利益は前年同期比26.3%減益。

原因は、今期から続く成長投資により人件費や広告費が跳ね上がった事で、利益を圧迫した為です。
これにより前回の決算では経常22%の減益。
前々回の決算では経常14%減益。
減益となったのはこれで3期連続です。
事業拡大の為の必要投資とはいえ、この結果は投資家の立場としてかなり心配にはなりますね。

直近の株価推移


ラクスは月足、週足で見ると右肩上がりの上昇をしており、非常にキレイな上昇トレンドを形成しています。
昨年末にはサブスク銘柄ということで注目されたのか、さらに急騰し株価2120円まで上昇しましたが、ここ2ヶ月程は調整モードに入り、日足で見ると下落トレンドに転換しつつあります。
先日の決算発表にて、またしても減益が報じられると、さらに株価は急落。
2月14日現在は1645円。
もともと成長株として人気があった上に、今期でEPS(1株あたりの利益)が減少したことで、PERは200倍OVERの状態となっていますので、成長株の中でもまだまだ割高な水準となっています。
短期的にはまだもう少し売り込まれるかも知れませんが、長期で保有するのなら、週足チャートの節目くらいを目安にして少しずつ拾うのが良いかもですね。
今後の展開予想
上記の通り、ラクスはいま大規模な成長投資をしている最中で、利益を確保するのが難しい状態が続いています。
しかし、それが一段落して事業のシェアが狙い通り拡大していけば、人件費や広告宣伝費を抑える事で利益率は上昇しさらに安定した事業展開ができるのではないでしょうか。
ターゲットとしている日本の中小企業では、以下の通り、まだまだ業務の効率化がなされていない会社が多くあります。
よって、同社が参入し成長していく余力は多く残されていますので、今後も期待できるのでは?と考えています。

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