


今回はこんな悩みにお答えします。
配当金は完全なる不労所得なので、投資を始めたての人からも高い人気があり、少額からコツコツと高配当株を買っている例をよく聞きます。
高配当株の例を1つ挙げますが、たばこ銘柄のJTなんかが特に人気ですね。
JTは年々株価が下落していっていますが、その影響で配当利回りがさらに高まり、2020年3月現在ではなんと7.4%という高さになっています。
ゆえに個人投資家から高い支持を受けており、JTだけに集中投資している人もいるくらいです。
そんな高配当株ですが・・・
高配当株投資は少額の資金で始めてしまうと、絶対に損をします。
その理由について、以下で説明していきますね。
高配当株とは
まず、高配当株はざっくり以下のような特徴があります。
- 生活必需品、インフラなどのディフェンシブ銘柄が主に該当する
- 利益率が高く、業績が安定している
- 不況に強い
世界情勢がどうあったとしても、需要がなくならないセクターである事が多いので、不況時でも株価はそこまで落ち込みません。
よって、非常に安定したパフォーマンスを生み出してくれる優れた投資対象であるというのが一般的な認識ですね。
何も考えずとにかく保有だけしておけば不労所得となる配当金を永続的に受け取れるため、投資初心者にも取っつきやすく、高配当投資は非常に人気があります。
これは僕が米国株投資をするきっかけになった本で、アメリカの高配当株に集中投資しているバフェット太郎さんの著書です。
なかなかクチの悪い解説ではありますが、具体的な根拠をもとに米国株投資、高配当投資の素晴らしさを教えてくれる良書です。
以前、僕が日本株投資でボロボロの成績を残していたときに偶然この本を手に取り、一気に米国株に興味がわき、その後すぐに米国株投資を始めることになりました。
高配当株投資の勘違い
高配当株で多いディフェンシブ銘柄についてですが・・・
生活必需品、エネルギー、インフラ系の銘柄というのは需要がなくならない反面、好況時でも株価が大きく上昇することは稀です。
一方、不況時には強いと言いましたが、株価が下がらないという意味ではありません。
今回のように大きな暴落時は、ディフェンシブ銘柄とか関係なく、株価は暴落します。
ここで1つ例を挙げます。
1つは、いま僕が一番ウエイトを大きく投資している米国のETF、バンガード・S&P500 ETF(VOO)。
アメリカを代表する企業500社に分散投資できる超人気の銘柄ですね。
もう1つは、同じく米国のS&P500構成銘柄の中で配当利回りの上位80社に分散投資する、SPDR Portfolio S&P 500 High Dividend ETF (SPYD)。
配当利回りが5%程と非常に高く(今回の暴落により現在は7%超え!)、こちらも高配当投資家に大人気となっています。

2020年2月19日~3月12日までの価格推移
上のグラフは、今回のコロナショックにて2月19日から最安値をつけた3月12日の間で、両者がどれくらい価格を下げたかの比較です。
VOOよりも、高配当であるSPYDの方がより大きく下落していることがわかります。
同じく高配当ETFの古株であるVYMと比べると業績の安定していない銘柄も一部含んでいる上に
構成銘柄も80社分散と、他のETFに比べて少なく、
リスクヘッジが効きにくいという明確なデメリットを持っています。
VYM(400銘柄分散ETF)で言うと、下落幅は上記SPYDほどではありませんが、
それでもVOOと同程度には下落しました。
ここでまず知っておかなければいけないことは、高配当銘柄といえども暴落には為す術なく売られるということです。
株価の下落リスクからは、どんな銘柄だったとしても避けることはできません。
また、今回のような暴落時に仕込んだ後、強烈な回復相場になったとします。
このときの高配当株のパフォーマンスは、株価指数には遠く及びません。
NWダウで言うと、回復期には年20%超えの大きな上昇を経る場合もありますが、高配当株の場合は配当を考慮しても大きくアンダーパフォームするでしょう。
高配当株投資の落とし穴
僕はバフェット太郎さんの本を読んで米国株に興味をいだき、すぐに高配当銘柄を買いました。
コカ・コーラ、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、3M、・・・。
連続増配中の銘柄をいくつか選定し、NISA枠で購入。
それは良かったのですが、高配当投資において最大の落とし穴があることに、この当時の僕は気付けませんでした。
高配当株投資はどんな人がするべきなのか
まず大前提として、
高配当投資はお金持ちがやるものです。
資産が数千万~数億円持っているような人が、株価推移を気にすることなく長期的な不労所得を得るために高配当株を買い、配当金だけでも十分生活できるもしくはそれに近いレベルのメリットを享受する。
非常にゆったりした投資です。
すでに十分資産をもっているのだから、あとはゆるやかに増えていくだけでいいんです。
一方、それを軍資金100万円そこそこの弱小個人が真似したところで、どうなりますか?
利回り5%の高配当株に100万円を集中投資したとして、年間でもらえる配当金はやっと5万円。
好況時にはあまり株価が上がらず、不況時には株価停滞ならまだしも、下落することもしばしば(それも配当利回りを上回る下落)。
はっきり言ってとんでもない機会損失です。

少額でも配当金が安定してもらえるんだからいいでしょ!
と、頑なに言う人もいます。
実際、僕も高配当株をいくつか保有しているから分かるのですが、少額で高配当株を持っていても配当金は気休めにもならない額で悲しくなります。
その割に、今回の暴落はきっちり被弾。
去年1年間で作った利益は跡形もなく吹っ飛びました…。
少額で高配当株投資をするのはベストじゃない
現状の資産状況で満足しているなら問題ありませんが、将来大きな資産を築きたいと思っている人がいま少額しか有していないなら、
- 成長株に集中投資する
- 安定してるVOOのようなインデックスETFに積立投資する
などを選択する方がよっぽど高いリターンが期待できます。
少額なら、もっと積極的にリスクを取っていい時期です。
高配当株投資をするなら、まとまった資産を作った後でも遅くはありません。
Twitterでよく見るような、高配当投資をうたっているインフルエンサーの方々も、おそらくはリスクを取って少額の状態から大きく資産を膨らませた時期があったはずです。
もしくは本業 or 副業の稼ぎが大きく、例えば
月に50万もしくはそれ以上のペースで追加資金を用意できるほどの強力な入金力がある人。
こういう人であれば、わざわざ他でリスクを取らなくてもいきなり高配当株を大量に買い漁るのは大いにアリです。
かなり羨ましい人ですね!
ちなみに上で紹介したバフェット太郎さんはそのタイプの方です。
要するに、ごく普通の収入しかない人が本に書いてある通りにしたところで、彼が言うように資産がモリモリ増えていくなんてことは基本的にありません。
まとめ
高配当投資といえば、リッチな生活への近道!と雰囲気的に感じてしまうのですが、実際はそうではなく
リッチだから出来る投資なんです。
僕はまだまだ少額の資産しかありませんので、今はリスクを取っていく時期だと思っています。
少額投資家のみなさん、今は10年に一度、もしくはそれ以上の投資チャンスです。
こんなときに高配当株を買っててはもったいないですよ。
株価指数の反発に備え、これから伸びると思う銘柄にありったけ資金を投入し、将来資産家の仲間入りをする準備を整えましょう!
ただし!余剰資金でね。