
先月の大暴落相場から一転、4月に入ってからは株価が大きく回復してきましたね。
含み損で気に病んでいた長期投資家の方々にとっては嬉しい時期となっているでしょうか。
僕の長期投資分の米国株銘柄たちも物凄い勢いで含み損が減り、もうすぐ含み益に転じそうです。
それはありがたい限りなのですが・・・
短期トレードとして僕が仕掛けていた日本株の空売りポジションは、結構悲惨なことになってしまいました。
4月17日には日経平均株価はさらに前日比+607.06円の大盛り上がり。
おかげで僕の空売り分は全て損切り。
含み損は一旦なくなってスッキリしたものの、なんとも嫌な気分です・・・!
今回は、僕が初めて経験した暴落相場でのトレードにて得た教訓について、
自分自身に対する戒めも含めて要点をまとめていきたいと思います。
暴落時の投資家心理
上のチャートは日経平均株価の週足です。
2月末に突如襲った最初の暴落。
週明けの2月25日から28日まで、4日続落。この週のうちに日経平均株価は2000円超下落しました。
ただ、このときの投資家心理としては、まだ上目線の人が多かったように感じます。
というのも、なんだかんだで上昇トレンドをキープしてきた相場。
目立った株価調整が入っても、そのたびに強烈なリバウンドで急回復してくることがここ1、2年は多かったため、今回もそれを期待した人たちが多数いたように思います。
目立った節目で言うと、20000円のライン。
ここは投資家が最も意識してきた水準です。事実、この付近で何度も株価が反発していることがチャートから分かります。
ですが暴落は全く収まらず、その後アメリカが一日のうちでダウ平均株価3000ドルも下落するなど
市場は人々の予想を遥かに超え、大混乱の様相を呈していました。
なんかもういよいよ底が見えなくなってきたな。
これ、日経平均は余裕で15000円切ってくる勢いやろ…。
下がるのは仕方ないが、なんせ速い、速すぎる…!
対処が全く追い付かん!
頼むからもっと落ち着いてくれ〜❗️— きむきむ@FIREを目指す株式投資家 (@kimkim6341) March 16, 2020
それを受けて日経平均もさらに暴落し、20000円の水準をあっという間に下抜いていきます。
この時点で、買い目線でトレードを仕掛けていた人たちは一斉に損切りすることになったでしょう。
逆に、空売り勢は最も利益を積みやすかった時期になったかと思います。
日経平均20000円という明確な支持ライン下抜けをしたことで、新規のショートも急増しましたし。
僕もこの頃には空売りでそこそこ利益が出ていました。
とにかく大多数の投資家たちは、これによりほぼ下目線でしか株価を見れない状態になったはずです。
これまで何度も下落を食い止めていた最後の砦を突破されたわけですからね。
とは言うものの、この時点からさらに大胆に空売りができる人は稀です。
来週以降に空売り出来そうな銘柄探してるけど、なかなかこれってのが見つからんなぁ…。
信用倍率高め、買い残が多いとこはチェックしたものの、
当たり前だけどすでに押し目無く急滑降、最安値更新してる銘柄ばっかり😅
ここから売りで入るのも勇気いるなぁ。と、個人が思うということは…❓
— きむきむ@FIREを目指す株式投資家 (@kimkim6341) March 8, 2020
空売りを狙っていく人は、基本的には短期間での利益を求めるため
主にテクニカル分析を根拠としてエントリーしていくことになりますが、
暴落後の株価チャートなんか見たところで、すでに株価は落ちきった後。
どの銘柄も等しくチャート形状が崩壊している状態でした。
そんな状態からさらに空売りを入れていくにはどうしても理由づけが弱くなってしまいます。
そうでなくとも、今回の場合は見事に押し目がほとんどない状態で株価が大暴落したので
大きなリバウンドがいつ来てもおかしく状態。普通の人は反発が怖くてなかなか空売りを仕掛けられません。
にもかかわらず、このタイミングで思い切って空売りを仕掛けられる人は、まさに人並み外れた相場観を持つ一部のトレーダーだけだと思います。
でも普通のトレーダーはまあ難しいでしょうね。
しかし日経平均はその後、そこからさらに3000円超暴落し、日経平均は一時16000円台にまで落ち込みました。
まずここでの教訓1つ目としては
本気の暴落相場ではテクニカル分析が全く機能しないという事実。
暴落時は、みんながパニックの状態。
テクニカルというのは、投資家がある程度落ち着いて行動できるからこそ機能するものだということを学びました。
空売りのエントリー、そして大損
僕は2月末頃から空売りのポジションを割と多めに持っていたので、暴落初期はなかなかに利益を出せていました。
が、まさかここまで株価が落ち込むとは思っていなかったため、自分の決めていた価格帯(直近安値付近など)でほとんど利確していましたので、利益としてはこの暴落分の半分も取れてませんでした。
僕に限らず多くの空売り勢は、今回の最安値まで落ち込むはるか手前で利確していたのではないでしょうか。
しかしフタを開けてみると、暴落は止まらない。
しばらくは空売りポジションは無しの状態で相場を見守っていました。
その後、アメリカ国内でもコロナウイルスの感染者が増えてきたことで、アメリカは2兆ドル規模の経済対策として
現金給付や失業保険の強化、税金に関する優遇措置など、世界に先駆けて大規模な政策を打ち出しました。
それにより株価は期待感が高まり、最安値から急反発。日本も同様に反発。
日経平均の日足チャートで言うと以下の○のあたり、3月25日時点の動きです。
その次の週あたりで、反発上昇が少し失速しました。
僕はここで、空売りを仕掛ることにしました。
このときのエントリー根拠としては、
- コロナの影響はこんなところでは終わらないだろうという漠然とした予想
- 信用倍率高め、信用買い残が多めの銘柄のさらなる狼狽売りを狙う
- チャートは完全に上昇トレンドが崩れ、下落トレンドに転換している
最近まじで株価読めね〜‼️
とか思ってたけど、🇯🇵も🇺🇸チャート見たら普通にフィボナッチ38.2%戻し、ほぼドンピシャ。
テクニカルが単純にハマる地合いとも思えんが、とりあえず絶好の戻り売りポイントにしか見えんなぁ。今日は仕込み忘れたけど、明日様子見て追撃売りしよか?#焼かれるフラグ pic.twitter.com/XRAE0hvRKG
— きむきむ@FIREを目指す株式投資家 (@kimkim6341) April 1, 2020
という感じのテクニカル寄りの見方で、ここで空売りを再度仕掛けました。
自分としては、十分に反発を引きつけてからエントリー出来たと思ったんですけどね。
3月のアメリカ雇用統計が最悪だったり、失業者数が急増していることを考えると
これはもう再度下落は必至だなと大して調べもしないのに決めつけてしまいました。
決めつけて、徐々に空売りのポジションを増していったところ・・・
襲ってきたのは、さらなる急反発によるショート殺しでした。
要因としてはこの辺りが大きいでしょうか。
- 欧米や中国などでコロナウイルスの感染者数がピークアウトしてきた
- ワクチンの開発期待が高まってきた
- 各国が経済対策を次々と打ち出してきた
いっぽう日本では、日銀がここにきて大幅なETF買いをし、株価の下支えを敢行しました。
また、それに乗じてヘッジファンド等の短期筋が一気に株を買いあさったのでしょう。
株価を急激に押し上げることになりました。
結果、こうなりました。
僕が損切りのメドとして見ていた水準を無情にも突破。僕の思惑は完全に裏目に出ました。
増やしていた空売りポジションはどの銘柄も20%超えの爆損。
多くのショーター達とともに、無念の損切り・・・。
ある程度の反発は予想していましたが、コロナ終息がもっと明確に見えてくるまでは
単なる戻り売りのポイントにしかならないだろうとタカを括っていました。
日経平均株価が18000円を割り込むと、日銀の買っているETFが含み損に突入するという情報を見たため
日経平均が16000円台に突入したときにはどうするのかと思ってましたが、まさかの買い増し。
完全に日銀をナメていました
そんな買い込んだETFを今後どう処理するのか。
日銀が考えている出口戦略は全くもって分かりませんが、とりあえず自分にとってはこのETF買い増しが大誤算でした。
これだけの暴落相場を初めて経験しましたが、株価が落ちていくのを国が簡単に黙認する訳無いですよね。
国が介入してくると、ここまで凄まじい回復相場になること。
痛みを伴いながら、知ることが出来ました。
今日も空売りを一部損切り😅
下目線の自分にとっては厳しい相場が続いてます💧てか、長期投資してる米株はどんだけ損失膨らんでもさほど凹まないんだけど、短期トレードしてる日本株の損切りはけっこう凹む。
しかも空売りの損切りは、買いの損切りの倍凹むわ…😭— きむきむ@FIREを目指す株式投資家 (@kimkim6341) April 9, 2020
空売りして負ける時はいつも思うのですが、買いポジションの損切りよりも精神的にキツイですよね。
素直に株を買ってれば利益を享受できたのに、ひねて逆方向に賭けてる訳ですから。
株価が上がってみんなが喜んでいる時に、自分だけが舌打ちしてるのってすごくイヤですもん。
暴落時の心構え
ただ、やっぱりこのまま株価が何事もなかったように暴落前の水準まで短期間で全戻しすることは考えづらいとは今でも思っています。
例え今すぐコロナショックが終息し経済活動が本格的に再スタートしたとしても、すでに全世界が現状受けている経済的ダメージは、計り知れないものとなっています。
経済対策が次々に実行されたにも関わらず、あまり効果を成さなかったことが露呈したり
見えかけたコロナ終息の見通しがまた遠のく事実が発覚すれば、
株式相場としては暴落第二波を覚悟する必要があるかも知れません。
少なくとも、今の株価上げはあくまで期待の思惑&日銀の強引な買い支えであって、実態経済を反映したものではないことは明らかです。
・・・とは思っていますが、それは言うまでもなく誰もが分かっていること。
このさき株価がどう推移してもすぐ対応できるように、柔軟な考えを持っておかないといけませんね。
- リバウンドは、下落幅が大きいほど強烈なものとなる!
- 暴落時は、機関も含め多くの投資家がパニックになる場面。テクニカルが簡単に通用するとは思わないこと!
- 暴落具合がひどくなると、国が必ず介入してくる。それにより株価急反発がどこかで必ず発生することを意識する!
- 自分の考えに固執していると、あっという間に損失は膨らんでいく。自分が相場に合わせるしかない!
- 株価は基本的に上昇を目指すものだということを再認識すること!
今回のトレードではボロボロにやられましたが、ひとまず言えることは
この暴落相場を総資産が少ない今経験できて本当によかったということ。
投資を始めるなら出来るだけ早いほうがいいと、誰もが言います。
理由はいくつかあるでしょうけど、
投資で失敗するなら資産がまだ少ないうちの方が良いというのが最も大きいと僕は思います。
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