

- 空売りしたことないけど興味ある人
- 空売りのリスクを知りたい人
- 買いでなかなか勝てないから売りでいく!と考えてる人
- 空売りしてるがなぜかボロボロに負けている人
結論から言います。
自分が他の投資家と比べて凡庸だと思うなら、空売りはマジでやっちゃダメです。まず勝てません。
空売りを単純に、現物買いの反対だと思っているなら大間違いです!
買いよりも売りの方がはるかに難しいということを、強く認識しておくべき。
・・・という結論ありきで、それがなぜなのかをいくつかの視点からお話ししていこうと思います。
僕の実体験による主観もふんだんに入っていますので、あくまで一個人の意見として、参考になれば嬉しいです。
それでは、宜しくお願いします!
目次
空売りなんてそもそもする必要はない
空売りとは、証券会社から借りた株を売り、株価の下落後に買い戻しをすることで利益を得る売買のこと。
ざっくりいうと、株価の下落を利益に変える売買法ですね。
相場が不調なときもお金を増やせるので、現物買いと組み合わせていけば、どんなときも利益に変えていけるので有効な戦略だと思えます。
以前の僕はそのように考えて、空売りをガンガン使っていました。
が、トータルでは大きく負け越しています。
自分自身でいろいろ空売りを体験してみて、勝てない理由が色々と分かってきました。
結果、これはリスクとリターンが全然つり合っていないと判断し、今年の春で空売りを完全にやめました。
では以下から、空売りがなぜ不利で無理ゲーなのかを解説していきます。
無理ゲー① ムダに売買コストがかかりすぎる
空売りにかかるコスト
まずは売買コストですね。これがホントに馬鹿に出来ません。
空売りでかかるコストとしては、以下の通りです。
すでに知ってる方はすみません。ここは読み飛ばしちゃってください。
- 売買手数料
- 貸株料
- 逆日歩
- HYPER空売り
売買手数料は現物と同じなので、詳細説明は不要ですね。
株を売買する際、証券会社に毎回支払うお金です。
また、空売りは株を借りるわけなので、貸株料というものが基本的に常にかかってきます。
この貸株料はどの証券会社もだいたい似たようなもんです(SBI証券の場合は年1.10%)。
さらに、投資家みんなの売りが多くなり、証券会社の方で貸し出す株が不足してくると、証券会社が機関投資家などの大口から保有株を借りてくる必要が生じます。
その株を借りることでさらに発生するのが逆日歩です。
これを、空売りした人みんなで負担することになります。
株の不足具合により逆日歩の金額は1株あたりコンマ数円~10円くらいで変動がありますが、空売りを決済するまでは、毎日これを払い続けないといけません。
また、空売りできない銘柄を無理やり空売りできるようにしたHYPER空売り(ハイカラ)というものをSBI証券が提供しています。
HYPER空売りは、SBIが指定している一部の銘柄のみ使用できるのですが、売買期間が1日限定な上にHYPER料(1株あたり数円くらい。むちゃ高い!)がかかります。
ボラティリティの大きい銘柄のデイトレでここぞ!というタイミングで使うものです。
これらを払い続けながらの空売りはかなりツライ。
なかなか下がらないな~と思いながらずっと空売り状態で放置してると、知らぬところでガリガリ資金を削られます。
という理由から、空売りは基本的に長期保有には向きません。
よって、短期売買をメイン戦略とするのが普通です。
じゃあ、短期売買に徹すればコストを軽減できるから良いのでは?と思いますよね。
でも、空売りがキツイのはそれだけではありません。
空売りはここがキツイ!
- 空売りを継続しているだけでどんどんお金が出ていく。
無理ゲー② 株価下落の速さは上昇の倍以上
人に言われなくても、ある程度株式投資をしていれば割とすぐに気づきますが、株価が落ちる速さは尋常ではありません。
株価の下落速度は上昇時の2倍、もしくは3倍なんて言われたりもします。
1ヶ月かけて上げた値幅を、たった3日の急落で帳消しにするなんてこともザラ。
それだけ考えると、
急落をうまく空売りで取れれば短時間で大きな利益が出るじゃん!最高じゃん!
って、思いますよね?
でも、よく考えてみてください。
株価の下落速度は上昇時の倍。
1つ、例を挙げますね。
これは、最近のコロナショックで3月に日経平均株価が暴落したときの日足チャートです。
参考とするにはあまりにも急激すぎる暴落でしたが、下落時・上昇時の速度の関係は、まさに上で述べた通りになっています。
ここで気づいて欲しいのですが・・・
株価の下落が速いから、短期の空売りで利益が出せる。
しかし同時に、それだけ利益を出せる時間が短いということでもあります。
言い換えると、空売りは「短期間でしか利益が出せない」のです。
その短期間を正確に狙いすまし、はたして空売りできますか?
それが出来るなら、あなたは機関投資家にも負けないスーパートレーダー!今すぐ専業トレーダーになれるレベルです。
株価がどう動くかなんて誰もわからない
チャート内に線を引いた通り、青のエリアで売り、赤のエリアで買う。
これができれば100点満点のトレードです!
今頃は超爆益でウハウハでしょう。
ただ残念ながら、株価がどう動くかなんて結局のところ、誰にも分かりません。
そんな満点トレードなど狙うのはハナから不可能だと思っておいた方がいいです。
と考えると、この短いチャンスにうまく乗って空売りで利益を出すのは、普通に考えて激ムズだと分かりますよね。
ちなみにさきほどのチャートですが・・・
普通の投資家ならこういった暴落時、「売りゾーン」に入りたての時期にはほとんど空売りを仕掛けられません。
株価が急落すると、「買いゾーン」の最初にあるような強烈なリバウンドが必ずと言っていいほど発生するので、怖くて売れないんです。
よって、大抵の個人投資家たちがやっとこさ売りのマインドに変わってくるのは、チャート内で○をしたあたりまで株価が落ち込んだ後。
要するに、下落トレンドが明確になってきた時期ではあるのですが、とにかく遅い。
そんなところで空売りをしてしまったらもう最悪です。
リバウンドから始まり、その後穏やかな上昇相場が始まるので、じわじわ長いこと相場にいたぶられる羽目になります。
それを今春、僕が体現しましたw
詳細は以下の記事で書いていますので、ご興味あればどうぞ!
そんなに焦って、利益を取りに行く必要ありますか?って話です。
短期間の勝負なんてせず、買いで入って株価上昇をじっくり待つだけ。
この方が、間違いなく安定して勝てます。
空売りはここがキツイ!
- 空売りは利益を得られるチャンスとなる時間帯が短いので、エントリーのタイミングを間違えると取れる利幅は小さくなってしまう。
無理ゲー③ メンタル面が超キツイ
空売りはメンタル的にもかなりキツいです。
なぜなら、空売りで負けると、買いで負けるときの倍悔しいから。
だって、みんなと同じように買いで入っていれば普通に勝てたのに、それをあえて曲げてエントリーし、結果負けてるんだから。
一体俺は何をしてんだろう・・・と超ミジメになります。
そもそも・・・
株価が上がるようにみんな願っている中、自分だけが下げを願うとか、もう精神が病みそうで僕はイヤでしたね。
自分が空売りを入れている銘柄のことを書いている掲示板やTwitterなどで株価上げの書き込みを見ると、逆にネガティブな気分になったり。
そんなもの見なければいい!と言われればそれまでですが、やっぱりどうしても気になりますよね。
空売りで勝ち続けられるような人は、普通の人とは明らかに違う鋼のメンタルを持ってます。
あと多分、だいぶひねくれ者のはず(超偏見w)。
僕は残念ながら、凡人的思考しか出来ないタイプの人間でした。
なので、とにかく空売りすることに疲れてしまったんですね。
しまいには、買いで負け、さらに売りでも負けるという往復ビンタを何度も食らった結果、空売りとは完全に決別することにしました。
空売りはここがキツイ!
- 負けたときのショックは買いの倍。メンタルがやられる。
それでも空売りをしたいという人は
空売りをはじめるときのマインドとして絶対にダメなのは、
現物買いでなかなか勝てないから、売りで勝てるかやってみるかー。
という考え。
これ、絶対に勝てません。
空売りが難しいというのはここまで書いてきた通りです。
買いですらまともに勝てないのに、さらに難易度が高い空売りでなんか勝てるわけないでしょ。
・・・これ、まんま昔の僕に言ってやりたい・・・。
僕も数年前は何をやっても株で負け続けていたので、空売りでもなんでも試して活路を見出そうとしてた時期があります。
が、まずもって自分の投資軸が定まっていなかったので、勝つのは土台無理でした。
空売りをしたいなら、まず現物買いでそこそこ安定して勝てるようになってからです。
空売りの損失は青天井。
売買の基本がわかってないのに無茶したら、冗談ぬきで証券口座のお金を全部溶かすことになります。
というわけで、僕は空売りを絶対におすすめしませんが・・・
短期間で資産を増やせるのは事実。
買いでは安定して勝てるから退屈。俺は売りで一気に稼ぐ!!
という人は、どんどんチャレンジしていったらいいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!