

- 老後の生活のイメージを掴みたい人
- 何のために貯金をするのか、意味を知りたい人
- 老後に向けてどれくらい貯金する必要があるのか知りたい人
人生100年時代なんて言葉を聞くようになって久しいですが・・・
これについて本気で考えている人は、いったいどれだけいるんでしょうか。
人は誰もが(ほとんどの人が)1秒でも長く生きたいと思っているはず。
少なくとも、死にたくはないですよね。
そう考えると、平均寿命が延びたかのように言われるこの手の話は、非常にポジティブに聞こえます。
でも、これに潜むリスクもちゃんと考えておく必要があると僕は思っています。
100歳まで生きてしまうリスク。
真っ先に浮かぶのは何ですか?
・・・そう、お金です。
もし自分が100歳まで生きるなら、どれだけの蓄えを用意しけなればいけないのか。
そのために何をすれば良いのか。
おおよそのイメージをつかみ、自分たちの将来について少しだけ考えてみる。
そんなきっかけとなるような内容をまとめました。
目次
年金だけで生活するのは無理なのか?
現在の平均年金受給額
まず知るべきは、老後の生活ではいったいどれだけのお金がかかるのか?ですね。
現在、年金は65歳から受給開始となっています(厚生年金は60歳で支給開始だったが、段階的に65歳へ向けて引き上げられている)。
サラリーマンの方だと
- 国民年金
- 厚生年金
の2階建てで受給することになります。
それを合わせての平均受給額ですが、
男性は16.6万円、女性は10.3万円(国民年金+厚生年金)
となっているようです。
(厚生労働省「平成30年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より)
老後を生きる上で必要なお金
では次に、老後生活の際にはいったいどれだけのお金が必要なのか?についてです。
ここでは夫婦2人の老後を想定します。
必要最低限、なんとか食べるのに困らないレベルの生活をするには、夫婦で最低22.1万円が必要。
そして、夫婦2人が豊かに暮らすには約36.1万円が必要になってきます。
豊かに暮らすとは、
- 年に数回、旅行に行く
- たまに美味しいものを食べる
- 孫にお年玉をあげる
といった、人生に楽しさをもたらしてくれるような行動を伴った生き方のことを指します。
先ほどの年金受給額から上の必要額を差し引くとどうなるかですが、
(16.6+10.3)-36.1=-9.2 で、毎月9.2万円の不足。
1年で、9.2×12=110.4万円の不足。
35年間(65歳から100歳まで)で、110.4×35=3864万円の不足。
豊かに暮らしたいのであれば、死ぬまでにおおよそこれだけのお金を、年金とは別のところから捻出しないといけません。
引用元:マネー研究所 Money&Investment
昨今話題になった「2000万円問題」ですが、最低限の生活を営むだけなら、別に2000万円も必要ないです。
年金の範囲内で十分生きていけます。
でも、食べて寝るだけが人生じゃないですよね?
残りの余暇時間を楽しむには、ある程度+αの支出を考えておいた方がいいです。
しかし、考えるべきはまだこれだけじゃありません。
将来の年金受給額は高い確率で今より下がる
上のグラフは、2050年に予想される人口ピラミッド。
高齢者が労働者人口を遥かに超えているのがよく分かりますね。
今から20年後・30年後の日本では、少子高齢化のさらなる進行により、高齢者の年金を若者で支えていくのが難しくなると多くの人が予想しています。
そのため、年金の受給額を現状より減らすような政策を打ち出してくる可能性が非常に高いです。
もしくは、年金の受給開始年齢を引き上げるか。
受給額が全くのゼロになるとは流石に考えづらいですが・・・
いずれにしても、年金受給額は今よりもある程度減ることを想定しておくべきですね。
仮に、30年後の年金の受給額平均は現在よりも3割減るとしましょう。
夫婦の年金受給額合計は、単純に計算すると
先ほどの26.9万円×0.7=18.8万円。
インフレを考慮しなければ、夫婦で豊かに暮らしていくには
毎月18.8万円ー36.1万円=ー17.3万円。これだけ不足。
1年で207.6万円、35年で7266万円の不足になります。
このお金を、退職するまでに蓄えておかねばなりません。
豊かに暮らしていく前提でここまで計算をしていましたが、”現状より3割減”で考えると・・・
年金だけでは最低限食べて寝るだけの生活すら成り立たない可能性も見えてきます。
けっこう最悪のケース。
あと30年ほどで、7200万円余りを貯める。
どうですか?いけそうですか?
この数字だけを聞くと、なんだか気が遠くなりそうですよねw
ただし。
これはあくまで、老後に資産運用をせず、預貯金を取り崩すだけの老後生活を想定した場合の話です。
当然、投資で複利運用した場合は話が全く変わってきます。
まずはここまでで、老後を生きる上でかかるお金についてざっくりでもイメージできたでしょうか?
資産運用をすると状況は激変する
預貯金だけでなんとかしようとすると、上で書いたようなイメージで老後に向けてお金を準備していく必要があります。
かなりの積立額となり、ちょっと現実的ではありません。
では、預貯金に資産運用をプラスした場合はどうなるでしょうか?
65歳までに老後資金をつくる
銀行に預けておくのではなく、投資で複利を使って資産を増やした場合で、シミュレーションをしてみます。
積立の条件はこのように設定してみます。
現在30代の方を想定して、30年積み立て。利回り3%で、目標金額は4500万円。
毎月の積立額としてはちょっと高めです。
もし20代の方であれば、もっと条件はゆるくなりますよ!
シミュレーション結果がコチラ。
30年間積み立て続けると
合計入金額が2780万円に対して、運用益が1720万円も乗っかり、資産額が4500万円に達するという計算です。
これで、65歳の年金受給までに4500万円をつくっていく道筋が見えました。
65歳以降は資産運用を続けながらお金を取り崩す
狙い通り65歳までに4500万円を用意できたら、それを取り崩しつつ年金の不足分を補う生活が始まります。
ここでまたシミュレーションをします。
今度の条件はこんな感じで設定。
利回り3%で資産運用しつつ、年間204万円ずつ取り崩していった場合です。
204万円の根拠ですが
上の項で書いた通り、現在よりも年金受給額が3割減った場合の想定です。
豊かに暮らすのであれば、毎月約17万円不足しますので、17万円×12ヶ月=204万円としています。
その結果がコチラ。
この運用であれば、毎月17万円づつ取り崩しながら100歳を迎えても、まだお金は残っています。
とりあえず100歳まで生きる想定でのシミュレーションですが、おおよそイメージはつかんでもらえたでしょうか。
もちろん、今回の設定はあくまで1つの例です。
人それぞれのライフプランによって、最適な設定値は変わります。
- 老後までに作れる資産
- 運用利回り
- 毎月取り崩したい金額
をよく考えながら、自分にあった設定で一度シミュレーションしてみることを強くおすすめします。
要するに、今から死ぬまで資産運用をし続けていれば、老後までに用意すべき金額は貯金のみの場合よりもはるかに少なくて済むんです。
ここで最も強調したかったのは、長生きを想定するんだったら資産運用はもはや必須!ってこと。
資産運用はBETTERではありません、MUSTです!
僕は老後の生活に期待している
とはいえ、老後に備えろと言われても、なんかピンと来ない。
実際、そんな人はけっこう多いと思います。
特に20代以下の若い方ならなおさらですね。
その気持ちはよーく分かります。実際、僕がそうでしたから。
昔の僕は、今が楽しければそれで良いタイプの人間でした。
どうしても、老後の人生に興味を持てなかったんですよね。
老人になると、体が思うように動かないし、思考力も鈍ってくる。何かしらの病気も、きっと抱えてるはず。
そんな心身ともにボロボロになった後の人生なんて、楽しいわけがない。
今が一番若くてアクティブに過ごせるんだから、今を全力で楽しんでればそれでいいわ。
歳を取った後のことなんかどうでもいい。
20代前半のころの僕は、それくらいに考えてました。
でも、あれから10余年。
僕の考えはかなり変わりました。
理由は簡単です。
最近のお年寄りの方々がことごとく、むちゃくちゃ元気なのを日々見ているからです。
昔の僕がイメージしてた、心身ともにボロボロでほぼ動けないような老人とは全く違うんですよね。
身近なところで言うと、うちのオカンです。
もう還暦超えですが、今でもジョギングやバドミントンなど、いつもアクティブに楽しみながら生きています。
今の”オーバー60”は、明らかに一昔前の老人とは違います。
以前の老人たちと比べ、体内年齢が確実に若いです。
それなら、自分が60歳、70歳になった後の人生も楽しいかもしれない。
現在の60歳の人らよりもさらに有り余る体力で、そこら中走り回れるかもしれない。
そう考えれば、将来がめちゃくちゃ待ち遠しくなりませんか?
いまの僕はそう考えているから、老後を100%楽しめるよう日々がんばる気力が生まれました。
良く分からんけど、とりあえず老後に備えて・・・。
という惰性な理由から行動していては、きっと長く続きません。
今の自分の状態をよく知り、そして自分の老後生活にワクワクを感じること。
これが、自分の将来を曲げることなく作っていくための一番大きい原動力になると、僕は思います。